#11 俺は歌もののリズム感で言ったら、田淵智也さんとも戦えると思う(笑)

no_my: 僕は何度も言ってるように影響されやすいタイプですし、やれと言われればなんでも楽しくやるのでジャンル的な意味では苦手なのはないと思うんですけど、暗い曲はほんとに書けないです。

やしきん: 性格の問題ですね(笑)

no_my: バラードとかを何回書こうとしても、最後は救いのあるバラードになっちゃうんです(笑)

園田: Cでジャーンって終わる的な(笑)

no_my: そう、Aマイナーで始まってるのに、サビの最後はAで終わるみたいな(笑)ほんとに暗くて救いのない曲って全く書けなくて。というか、僕は今まで生きてきて、そんな暗い気持ちにならないんで(笑)

園田: 全然書けるわ。

やしきん: Syrup16gとかきついって話ですよね?

no_my: Syrup16gは全然共感できない。

やしきん: あれに反応できるかどうかって結構わかりやすいかもしれないですね。園田さんは絶対好きでしょ?

園田: 大好き。ART-SCHOOLはそうでもないんだけど。

no_my: ART-SCHOOLはまあまあ好きです。暗さもあるけど、頭良いやつが賢く暗くやってる感じがするから。Syrup16gが好きな人の気持ちはわかるけど、僕自身は全くそういう人間ではないので、ああいう音楽は作れないですね。

ーめちゃめちゃ説得力がありますね。人間性が音楽に出てるなと...

園田: 出る出る。だってほっといたら俺暗くなるもん。

やしきん: 園田さん完全にそっちですよね。陰の曲が超強い。

園田: 陰の曲は強いけど、無理して明るいのを書くというのも、明るさに対する憧れがあるから過剰に明るいんですよ。こんなにキラキラしてていいのかって...

やしきん: でも、明るいふりしたエモい曲が一番かっこいい。A3の「春ですね」って曲があるんですけど。

伊藤: 俺がストリングスアレンジやったやつだ(笑)

やしきん: 暗くもないし爽やかなんですけど、進行のエモさとか切なさみたいなのがメロディーにあって、それを聴いたときに園田さんの真骨頂が良い形で出ててめちゃめちゃ良い曲だなって印象を受けました。

園田: ここ数年のテーマがそれだもん。いかにメロディーに、あーっ!っていう感情の爆発みたいなのを詰め込むか。

ーオタクはそういう明るくて切ないのは好きだと思いますよ。例えば、日常系アニメでも限られた時間の中で如何に楽しむかというところだったり、いつか終わるものに対しての切なさみたいなものは劇伴や主題歌の中に感じたりするんですよね。

no_my: 僕も明るい曲を作ってるんですけど、Twitterの反応とか見てると、明るいのに泣けるとは結構言われます。

伊藤: no_myさんは明から暗に攻めるタイプで、園田さんは暗から明に攻めるタイプ。

no_my: 明るさ100%、暗さ100%という話じゃないじゃないですか。

伊藤: 僕もわりと暗いところから希望を見出すタイプなんで。

やしきん: 俺は多分no_myさん側だわ。

伊藤: 切ないのは凄く好きで、何を書いてもある程度切なくなっちゃうんです。逆にぱあーっ!と明るいのはあんまりないんですよね。

no_my: 明るい曲って言っても、脳みそスッカラカンのパリピみたいなのは無理なんですよ。

伊藤: 俺が一番書けないやつ。

やしきん: 俺は結構いけるかもしんない(笑)

園田: やしきんはいける(笑)

伊藤: 俺が書けないからやしきんに助けを求めることは結構あって(笑)「ハッピータイフーン」(作詞/やしきん 作曲・編曲/伊藤翼)なんて正にそうでしたね。

園田: だって伊藤翼から「ハッピータイフーン」なんて絶対に出てこないじゃん。

伊藤: あれ最初のデモの状態だと、めちゃくちゃ切ない曲だったよね。

やしきん: 実はアレンジが入る前にメロディーとコード進行だけ見たら、すごくシャレてて、きちんと切ないんです。それを、盛り上がる曲として書いてきたっていうから(笑) もっとバカっぽいの来るのかと思ったけど、違うじゃんみたいな(笑)

伊藤: あれは、合いの手入れる隙間とか、アレンジ後のドンツクドンツクを想定してたからであって、やしきんにはメロディーが切ないけどってつもりで渡したんだけど(笑)まああのピアノの伴奏に、メロディーが乗っかっただけだと、確かにどこがやねんってなると思うけど(笑)

ー伊藤さんが作曲でしたが、やしきんさんっぽい曲調だなという印象は受けました。

園田: やしきんの歌詞を乗っけると、何でもやしきんになるんですよ。というのも、譜割りって一番個性が出てくるので。

やしきん: 歌ものの譜割りで印象付ける部分は多分大きいと思います。

伊藤: 僕はたまに歌詞を書くくらいで、基本的にメロディーしか書かないんですけど、自分のメロディーを目的に合わせて、歌詞を載せて最大の効果がある人を常に考えています。「ハッピータイフーン」に関しては、完全にやしきんのリズム感とか譜割りのエッセンスが欲しかったから。メロディーを書いただけだと、まだ50%しか作曲していないと思っているんです。そこに歌ものの難しさを感じます。

やしきん: 俺は歌もののリズム感で言ったら、田淵智也さんとも戦えると思う(笑)それくらい、心地よさとかリズム感のある、音に対する言葉のはめ方には自信があるので。

no_my: 作詞家ってリズム感ある人とない人でほんと分かれますからね。

やしきん: 畑亜貴さんや大森祥子さんみたいに、リズム感と意味を両方作ってくるタイプもいるから。

伊藤: 音楽的な魅力と詩的な魅力の両方が世界観にも関わってくるし、リズム感にも関わってくるし、かなり微妙な立場なんですよね。

no_my: 文字として読んだ時の良さと、耳で聞いた時の良さを両方やんなきゃいけないから。

伊藤: そもそもはめたものによってリズムが変わっちゃう時点で、それは100%作曲とは言えないと思うんですよ。

no_my: 4分音符に二重母音で二文字詰めるか、一文字にするかで曲の雰囲気変わりますからね。

伊藤: 自分的には、意味はないんだけど頭の中で作詞は出来てるんですけどね。

後半へ続く