園田

#09 まあ俺も風来坊なんだけど(笑)(園田)

no_my: 何で他の奴と並ばなきゃいけないんだみたいな(笑)そんな感覚だったんですけど、とりあえずやるかと思ってやったら2曲目くらいで採用になって。

やしきん: 速い。

no_my: それが、今もやられてますけど、音楽活動を盛んにやってた頃のつるの剛士さんだったんです。結構ちょろいなって思って(笑)

伊藤: 2曲目で取ったら思う思う(笑)

no_my: でもその後は採用ない時期が結構続いたんですけど、アニソンとかもちょこちょこ採用取ったり、スタジオでアニメや声優文化に触れながら、色んな交流会に参加しながら、段々アニソンに近付いていって。

園田: 交流会ほんと好きだね(笑)

no_my: 僕、人の話聞くの好きなんですよ。人の話を聞いてすぐに影響されるんです(笑)

伊藤: その感じで人嫌いだったらおかしいよね(笑)

ーno_myさんは作詞の講座もやられてますよね?

no_my: はい、明日もやります(笑)僕は色んな人に話を聞いて、ちょっとずつ音楽業界に近付いていったタイプなんで。やっぱり、今何をしたらいいかわからない人たちに、どうやったら音楽業界で働けるかを教えてあげたいんですよ。

やしきん: 最初の間口ってほんとわかんないですからね。

伊藤: なんか変なところに浸かっちゃう子もいるから。

no_my: 変なとこいっぱいあるじゃないですか。

伊藤: 凄くギャラが低いとかね...

園田: メジャーデビュー出来るよとかね。

no_my: なんかオーディションという名の、ただのスカウトとか。

伊藤: コンペに参加するのに参加代取るところとか・・・

園田: それは...おっとっとっと(笑)

ーそこらへんのシステムが本当によくわからなくて...

伊藤: 今日は結構深掘りしてるよね(笑)

やしきん: 今まではわりと平気(笑)

伊藤: このままいくとヤバい(笑)

no_my: 一応さっきのコンペの話の顛末を言うと、色んな所に顔出して話を聞いてるうちに、やっぱりプロの作曲家を目指すには、コンペが必要だとわかったのが27歳くらいで、 そっからまじめに頑張り出して、今があるという感じです。

ー因みに、コンペと発注の比率って実際どのくらいなんでしょうか?

やしきん: 人によるかも...僕はほぼコンペないので。

園田: (no_myさんと自分を指しながら)ここはコンペファイターなんですよ。

伊藤: 俺も最近コンペはないね。でも、出したい時は出すって感じで。

園田: 俺も最近段々コンペの割合が減ってきてる。

no_my: おお、素晴らしい!やっぱそれは作家のスタイルによって違って、特定の事務所とかでガッツリやってる方はコンペの比率が減っていくと思うんですけど、僕とかはだいぶ風来坊なので(笑)

やしきん: やっぱフリーランスとか風来坊系はコンペですよね。

園田: まあ俺も風来坊なんだけど(笑)

伊藤: 僕は事務所ではないけど、事務所みたいな所にいたからね。仕事取ってくる人がいたから。今は風来坊みたいな感じなんだけど...

やしきん: 僕は半分くらいは事務所の仕事ですけど、半分は自分の縁で仕事取って来てるんで。さっき言った俺妹のコンペ以降は、その都度知り合った人から仕事をもらって、数珠つなぎの縁みたいな感じで仕事してるんで、コンペよりは知り合った人から話をもらうことが多いです。

園田: フリーランスとはいえ、どこかの事務所からコンペを出してるんで、そこからのリピーターさんっているじゃない。そこの事務所を通してリピーターが来た時は、そこ通しますって話にしてるから。お互いに得しましょうみたいな。

伊藤: 僕も決め打ちはほとんどリピーターですね。

園田: だよね。リピーターありきだよなぁ。

やしきん: まあ音楽に限らず皆そうだとは思うんですけどね。

     
伊藤

#10 ベートーヴェンまではみんな職業作曲家なんです(伊藤)

ー影響を受けた人物や尊敬する人はいますか?

no_my: いや、僕は基本的に影響されるんで...

やしきん: とりあえず自分は小林武史、菅野よう子、神前暁です。

no_my: なんて理想的な答えを(笑)僕はゆずと、高校の時に大好きになったフランク・ザッパ先生とポール・ウェラー(THE JAM)さんと、あとブライアン・ウィルソン(Beach Boys)です。この4人に共通してることは、皆バイタリティーに溢れていて、楽しい音楽を作ってるということです。

園田: 冨田恵一さんと川村結花さん。あと歌詞とかの面で言うとGRAPEVINEの田中和将さんとかGREAT3の片寄明人さんとかになってくる。

やしきん: 歌詞で影響受けた人はいないな(笑)

伊藤: 難しいけど、やっぱり植松伸夫さん。田中公平さん、菅野よう子さん、あと…ベートーヴェンですね(笑)

園田: ドヴォルザークは?

伊藤: ドヴォルザークも好きですけど、そこは分かりやすくベートーヴェンにしときましょう(笑)

やしきん: 強そうな陰の人だよね。陽キャの音楽じゃない。

伊藤: そうだね、同じ時代のモーツァルトみたいな陽の音楽じゃないよね。

園田: バッハは?

伊藤: バッハはそれよりも昔の人で職業音楽家です。

園田: そうなんだ!

伊藤: ベートーヴェンまではだいたい職業作曲家なんです。貴族の所望する曲を形にするような。フランス革命あたりの1800年くらいの話です。その頃色んな革命が起こっていて、貴族制が崩壊するんです。ベートーヴェンは貴族に雇われた職業作曲家の最後のほうですね。

園田: 音楽バブル期の最後に出てきた人みたいな感じ?

伊藤: はい(笑)ベートーヴェン以降は、ドイツだけじゃなく色んな国に広がっていくんですけど。

園田: それ講義やってよ(笑)

伊藤: そういうの大学でもやるんですよ。

やしきん: うちの事務所だったらロック史をやるよ(笑)社長が語るファンク・ロック史みたいな(笑)

伊藤: 僕はクラシック史とジャズ史とか。

no_my: こないだ自分の講座でアニソンの歴史語りましたよ。

やしきん: (笑)それはno_myさんの解釈で?

no_my: 一応自分なりに研究した結果を皆に喋りました。

伊藤: ちょっと歴史の話やりたいなー。クラシックっていまのポップスにつながるエッセンスがたっぷり含まれているから。この曲のこの部分はクラシックのこの部分だよとか。モーツァルトの活躍していた時代にはメジャーセブンスがあまり使われないけど、その前のバッハはメジャーセブンスがたくさん出てきたりもする。

園田: おもしろー(笑)

伊藤: で、モーツァルトの時代よりあとのショパンとかではまたメジャーセブンス出てきたり。

園田: メロコアから渋谷系が来て、またメロコアに戻るような。

伊藤: バッハ以前になると3度使わないとか、5度だけみたいな。ほぼパワーコードでしかハモらないんです。

やしきん: 調性感なくなっちゃうよね。

伊藤: そうそう、あんまりハモらないんんだよね。ユニゾンばっかみたいな。

ー元ネタ的なお話の流れで、皆さん様々な音楽ジャンルの曲を書かれていると思いますが、その中でも苦手なジャンルはありますか?

園田: 打ち込み系。テクノとかEDM、トランス、ユーロビートら辺...

やしきん: 園田さんそこら辺やってるイメージ無いわ。

園田: 無理。結局ドラムとかを通って来ちゃってるから、スネアが2、4で入るもんだっていう意識になっちゃってる。だから、打ち込みの音使ってもスネアが必ず2、4にいがちっていう(笑)

やしきん: 人間らしくなるっていう。

園田: そうそう。ハットは必ず8分に刻んで、クラッシュの時にハットがいなくなるってやっちゃうから。中田ヤスタカさんとかは一通り聴いて好きだけど、自分ができるとは思わない。思考が違うから。

伊藤: 書く上での苦手ジャンルってことですよね。嫌いなジャンルはないんだけど、書く上で苦手なのはパンクロックですね。

園田: そうなんだ!

やしきん: 経歴で言ったら真逆だからね。

伊藤: だって書けないですよ。3コードで作ったことないから。

no_my: モーツァルトは結構そういう所ないですか?

やしきん: スケールの音楽じゃん?

伊藤: でも、モーツァルト好きになったの最近なんで...何であんなドミソばっかの曲が良いのかって僕は思ってたんで。

no_my: クラシック界のパンクですよねあれ。複雑なことはやらずにひたすら明朗、明快な音楽。

やしきん: 陽キャが極まってる(笑)

園田: クラシック界のGreen Day(笑)

伊藤: モーツァルトで有名な短調の曲って2曲しかないんですよ。

no_my: でもマイナー使うけど暗くならないっすもんね。

やしきん: モー娘かな?みたいな(笑)マイナー調ばっかだけど明るいっていう。

ーコード進行が明るいってことですか?

no_my: 音階的に明るい音、暗い音っていうのが存在するんですけど、暗い音を使ってるはずなのに、そんなに暗く聴こえない音楽って無数にあって。そういうのに僕は作ってる人間の性格が出ると思うんですが、モーツァルトは暗いはずの音を使ってるけど全然暗くならないっていう根アカの音楽です。

やしきん: ゆっくり弾くと暗いけど、譜割りとか跳ねた弾き方とかリズム感とか、そういう表現でも違ってきますよね。

伊藤: ニュアンスだよね。どんな悲しい小説でも面白おかしく読めば面白いとか、楽しそうに歌ったら楽しいとか、弾く人が楽しそうに弾いてたら楽しく聴こえるように。モーツァルトの時代って楽しそうに弾くニュアンスなんですよ。貴族をいい気分にさせなきゃいけないので。基本的にはエンターテイナーなんですよね。

やしきん: パリピだよ(笑)

no_my: 貴族の為にも書くし、貴族が権威を示すために他の人にも聴かせるような。

伊藤: だって夜な夜なあいつらパーティーして踊ってるんですよ。だから、あの頃のEDMみたいなもんなんですよ。

園田: やしきんが苦手なジャンルを知りたい。

やしきん: 俺はドクラシックとドメタル。メタルはそもそもあんまり好きじゃないんですよ。僕はポップスやロックに寄ったアコースティック系だったので、ハムバッカーのギターがそんなに好きじゃなかったり。リバースヘッドの7弦とかも好きじゃなかった。

no_my: わかるー。テレキャス最高!

やしきん: そう、シングルのピックアップで、コード感がすぐわかるジャキジャキした感じが好みなので。

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