【アニソン作家インタビュー&対談】
やしきん x 伊藤翼 x 園田健太郎 x no_my

昨年発行した「SeiyuOneSongReviewZine」の番外編として、声優楽曲やアニソンはどのように出来ていくのかを、4名の著名アニソンクリエイターに対談形式で色々聞いてみま した。クラブでもお馴染み、アニソンDJとしてもご活躍されているやしきんさん、現在放送中のアニメ『Re:ステージ!ドリームデイズ』のサウンド・プロデューサーとしても 知られる伊藤翼さん。さらに伊藤美来さんの『Shocking Blue』、となりの吸血鬼さん『†吸tie Ladies†』等の生みの親、園田健太郎さん、SHOW BY ROCKやゆるゆり等様々な コンテンツで良い曲を書かれているno_myさん、それぞれの音楽/オタク的背景から音楽や作詞、作曲への思いやこだわり、音楽業界や周りのクリエイターさんの話に至るまで、 たっぷりと思う存分語って頂きました!連載2回による大ボリューム!また、この4名による声優楽曲1曲レビューも必読(こちらは連載の後半に掲載予定)。

文・インタビュー・聞き手:あらにゃん / 撮影:坂本勇 / デザイン:小日向美樹

伊藤

#01 僕の一番最初のバックボーンは、3歳の頃におばあちゃんから聴かせてもらったクラシックなんですよね。(伊藤)

ー先ずは皆さんの音楽的&オタク的なバックボーンについて、青春時代に聴いていた音楽、または観ていたアニメについて教えて頂けますか?

伊藤: 僕の一番最初のバックボーンは、3歳の頃におばあちゃんから聴かせてもらったクラシックなんですよね。

園田: 3歳は青春じゃねぇよ(笑)

伊藤: (笑)まあ3歳の頃は全くわかんなかったんですけど。 本当の青春時代は高校の吹奏楽部ですね。 そのころは音楽やってるか、ゲームやってるかの毎日でしたね。
あっ、ゲームは実際に3歳からやってました(笑) ファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどの王道RPGが本当に大好きな子供でした。

ークラシック音楽の良さがわかったタイミングはその頃だったんですか?

伊藤: そうですね。僕は部活ではテューバをやっていたんですけど、その後に音大に行く為に師匠とかに習いに行くんですね。その時にクラシックの音楽を練習するんですけど、既に知ってる曲がいっぱいあることに気が付いて。これ昔おばあちゃんに聴かせてもらったベートーヴェンだなぁって。そっから全体的に面白くなっちゃって、色々なジャンルを深掘りするようになったんですよね。とにかく中学高校時代はクラシックとゲーム音楽ばっか聴いてましたね。

ーファイナルファンタジー以外だと、どういったゲーム音楽を聴かれてましたか?

伊藤: それ以外だと任天堂系が多いですかね。あとはpop'n musicとか。元々プレステばかりやってたんで、プレステで出来る音ゲーってことでpop'n musicでした。コントローラーが小さいので、ゲーセンに行ったら全然サイズが違って出来ないんですけど(笑)

園田: たまに親の仇かってくらいバンバン叩いてるやついるよね。

no_my: あれは完全に運動神経ですね(笑)

伊藤: 家だと楽勝なのにゲーセンで失敗するのが嫌で。

no_my: 家だと失敗しても損した気分にならないけど、ゲーセンだとまたお金いれなきゃいけないですもんね(笑)

伊藤: そうそう、しかもそんなお金もないし(笑)

no_my: プレステの音ゲーと言えば、パラッパラッパーはやんなかったんですか?

伊藤: パラッパラッパーもやりましたね。でも難しかったんで、2面の運転するところまでしか出来なかった(笑)

no_my: わかるー(笑)

ー今でも音ゲーはやりますか?

伊藤: 今はもうやらなくなっちゃったんですけどね。

やしきん: あれ、リステップやってないの?(笑)

伊藤: リステップはやってる(笑)

園田: こらこらこらこら(笑)

伊藤: リステップは音ゲーじゃないんだよ。思考型リズムアクションゲームだから、音ゲーとは違う(笑)パズル要素があるから。

やしきん: なるほどね。


やしきん

#02感動したんですよ、今TOY'S FACTORYで一緒に仕事してる人が以前Mr.Childrenやってたって聞いて、えーって(笑)(やしきん)

ーやしきんさんはいかがですか?

やしきん: 思春期にバッチシ音楽的影響を受けたのはMr.Children、BUMP OF CHICKENです。

ーいつ頃ですか?

やしきん: Mr.Childrenは小、中学生です。

園田: 小学生でMr.Childrenは早いな。

やしきん: いわゆる初めて買ったCDが3枚あって、それがMr.Childrenの「終わりなき旅」とV6の「over」、ラルクアンシエルの「snow drop」だったんですね。

no_my: いいっすね~。

ー当時のヒットチャートですね。

やしきん: そうです、小~中学生時代に聴いていたヒットチャート中でも、ギターポップスが性癖的に凄く好きで。それこそスピッツとか。それで、高校に上がってからバンドをやるようになるんですけど、そういう中で一番最初に刺激をくれたのがMr.ChildrenとBUMP OF CHICKENのようなTOY'S FACTORYワークスだったんですね。

園田: 今もTOY'S FACTORYの仕事してるね。

やしきん: してるけど(笑)いや、だから感動したんですよ、今TOY'S FACTORYで一緒に仕事してる人が以前Mr.Childrenやってたって聞いて、えーって(笑)そういう感じで僕は高校以降ずっとバンドをやってました。

ーバンドはギターポップ的な感じだったんですか?

やしきん: もうちょっとロック寄りですかね。藍坊主とかに近かったかな。メンバーがELLEGARDENとかSum 41のような重めのメロコアが好きだったんですよね。

園田: 世代やな~。

やしきん: 最初は相手がいなくてバンド組めなかったんですけど、ボーカルを探してるバンドにボーカル/ギターで入る形で始めたんですが、そこで途中から曲を書き始めて大会に出るようになったんです。そのきっかけとなる曲がたまたま僕が書いたものだったのもあり、段々バンドの作曲担当になっていって。そんな感じで、高校の時はよくバンドコンテスト的な大会によく出ていました。当時出てた大会のひとつで、全国大会まで行った時に優勝してたのが清竜人だったんです。

一同: おー!!!

やしきん: 当時彼はドラムと、自分がギターを弾きながら歌っているピーマンというユニットをやってました。あと、その大会にKEYTALKのメンバーが出てたり、感傷ベクトルの田口さんが出てたりとか。そういうものが僕の音楽的思春期の体験です。

ーアニメの方はいかがですか?

やしきん: アニメは瀬戸の花嫁からです。高校が結構勉強をしっかりやらなきゃいけない学校だったんですが、試験勉強に疲れた時、日曜の夜中にやっていた瀬戸の花嫁がめちゃめちゃ面白くて、楽しくて笑えたんですね。それがクールの途中だったのでイチから見直したりしました。本格的に深夜アニメを見始めたのはそこからで、以降は釘宮理恵さんがメインヒロインをやってるアニメがたくさんあった頃だったので、そういうのをよく見ていました。僕らが大学生に上がった頃ってアニメブームが丁度来てた時だったんですけど、涼宮ハルヒの憂鬱の放送が終わった頃に、アニメ見たいんだけど何から見ていいかわかんない人に、何を見たらいいかを薦めてたりしてました。

伊藤: ここ(やしきんさんを指して)同い年なんですよ。だから、アニメの話で言うと全く僕も同じ流れですね。僕らは2007年に大学に入ってるんですが、その年にニコニコ動画が出来たんですよ。

園田: 2007年大学入学って俺付いていけない...。

一同: (笑)

伊藤: その頃にニコニコ動画が大学内で流行り出したんですが、あの時ってアニメがいくらでも見れたじゃないですか。

やしきん: その頃はまだ無法地帯だったんで。

伊藤: その時にアニメを見ることの楽しさを覚えて、どっぷりそこにハマっていってしまいましたね。

園田: 俺が高校生の時、この人たちは小学生だから。

一同: (笑)

ーno_myさんはいかがでしょうか?

no_my: 最初にお伝えしたいんですが、僕はこれだけアニソンに関わらせていただいてる中で、そこまで深くアニメやアニソンに関わってきた人生ではなかったんですよ。ただ、振り返ってみるとその都度でアニメ文化には触れていたし、自分を作家として自己分析にした時に「僕はアニソンに向いてる人間だな」と凄く思ったんですね。なので、アニソンを作る事自体はとても楽しくやらせて頂いてます。

園田: 社会的...

no_my: 社会的?社会的ってどういうことですか(笑)

ーアニソンに向いてるとは、例えばどういったところですか?

no_my: なるべくかいつまんで話すと、例外はあるんですけど基本的にアニソンを聴く環境って、テレビでアニメを見ていたり、ヘッドフォンで動画を見ていたり、一人で音楽を聴くんですよ。ライブで皆で聴く前提ではないんですね。もちろん皆で聴く場面はあるんですけど、そもそもアニメの為の曲だから、テレビ画面を見ている時に聴く音楽じゃないですか。

伊藤: 最近ですもんね、ライブが増えたのは。

no_my: そうそう、アニソンがこんなにライブを意識するようになったのは最近の話だと思うんで。まずは自分が個人的に楽しめるものがアニソンなんですよ。どんどん複雑になって、どんどん難しくなっていっても、俺はわかる!みたいな楽しみ方が出来るのがアニソンで、普通のJ-POPにはそういうのはいらないんです。皆で楽しめる、普遍的な音楽の方が一般的なJ-POPなわけで、「俺が楽しめる超難しい音楽」だとアニソンなんですよ。ということを考えた時に、めっちゃ頭使って難しいことも考えて、どうだ!こんなこともやってやるぞ、という曲の作り方をするとアニソンって受けるわけですよ。僕は勉強したり、分析したりアレコレ考えることがわりと好きなんですけど、音楽作る時も感覚一発ではなくて、そういう感じで考えながらやるのが楽しいタイプなんで、アニソン作るのに向いてるなと自分で思っています。

ーアニソンだからこそという感じで、音楽ジャンルが今まで聴いたことのないような状態でクロスをしていたり、新しいものが生まれているところに魅力を感じます。

伊藤: ここにいる皆色々考えて、頭使って、なんとか...

園田: 刺してやろうみたいな(笑)

やしきん: 比較的作戦立てがちな人たちかも(笑)

伊藤: ここにいる皆はアニソンだけじゃなくて、他の音楽だったり音楽自体が好きだと思うんですけど、こういうのもあるよ、というのをアニメファンに伝えていきたくてやってると思うんですよね。

no_my: しかもね、アニメファンは深読みするのが好きな人が多いんですよ。打てば響いてくれる感覚があるんですよね。それが結構楽しいです。気質的に深掘りするし、クリエイターの名前とかも覚えてくれるし。

伊藤: そもそもオタクってアニメファンだけを指すワードじゃないですよね。ひとつのことをしっかり深掘りしている人たちのことだと思います。

no_my: そういう意味で、僕はアニメオタクではないけど、人間としてはまあまあオタク気質だと思います。

やしきん: 良い結論(笑)

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